脳内に「甘」があるとき
なぜこの字を入れたか
「食」があれば足りるようにも見えますが、指している範囲が違います。「食」は食事全体で、生活の必要に属します。「甘」は必要ではないほうの食べ物で、ご褒美や息抜きに属します。頭の中での位置づけがまるで違うので、分けて持ちたいと考えました。加えてこの字は、人に向けると「甘える」「甘やかす」という別の意味になります。一字で二つの領域を持てる点も選んだ理由です。5画と少なく、マスの中でもはっきり読み取れます。なお「糖」「菓」も検討しましたが、どちらも物そのものを指す字で、甘えの意味には使えません。一字で二領域という条件を満たすのは「甘」だけでした。
「甘」が多い脳内
占有率が高いほど、甘いものか、あるいは誰かに甘えたい気持ちが頭の中で場所を取っています。どちらなのかは絵からは区別できません。診断の側でも区別していません。並んだ他の字から推測はできますが、それは読む人の解釈です。なお、この字が多く出ても、実際に何か食べたかどうかとは関係ありません。甘えたい相手がいるかどうかも、絵からは分かりません。
この字を使う言葉
甘味・甘露のように味を指す語と、甘言・甘受のように比喩の語があります。「甘受」は不満を言わずに受け入れることで、味とは関係がありません。訓読みが多い字でもあり、甘い・甘える・甘やかす・甘んじる、と四つの方向に活用します。「詰めが甘い」「採点が甘い」のように、基準がゆるいという意味でも広く使われ、この用法では否定的な評価になります。同じ字で、褒め言葉にも批判にもなる珍しい例です。英語の sweet が人柄にも使えるのと似ていますが、日本語の「甘い」は人柄に使うと否定寄りになる点が違います。「考えが甘い」「脇が甘い」はどちらも批判です。一方で「甘え上手」は褒め言葉にもなり、文脈の幅がかなり広い語です。
よく一緒に出る字
「食」と並べば間食、「茶」と並べばお茶請けです。「金」と並ぶ場合は、そこそこの出費になっている頃かもしれません。「休」「暇」と並ぶと、ご褒美としての甘さに見えます。「悩」と並ぶときは、甘えたい側の意味に傾きます。解釈は決まっていないので、好きに読んでください。「猫」と並ぶ組み合わせは、かなり平和な部類です。
字としての「甘」
口の中に何かを含んでいる形を描いた指事文字です。口を表す形の中に、短い線を一本入れて、含んでいるものを示しています。
口に含んでうまいものを表したのが本来の意味で、そこから味覚の「あまい」になりました。味の名前がそのまま字になった例です。
「甘」は部首としても働き、甚・甜などの字を作ります。ただし仲間は多くなく、常用漢字の中ではこの字がほぼ単独で立っています。
「甘」が支配したときのひとこと
「甘いものの話をしている。今日はもう食べた。」
自分の脳内の「甘」を数える36字の解説
この診断はすべてジョークで、実在の人物とは関係ありません。